冬にEVの電費が悪いのはなぜ?
ガソリン車と比較してみよう
EVは冬になると電気の消費が激しくなり、一回充電辺りの走行距離が減ります
今までの経験上3割程度悪くなるのですが、その理由を自称世界一分かり易く説明します
※以下、電気自動車をEV略します
暖房熱を別で作る
電気消費量が増える最大の原因は暖房です
消費が3割増えるうちの2割まではコレです
理由は「走行の廃熱が極めて少なく別で電気を使い暖をとる」為です
ガソリンは9kWhの熱量がありますが1/3しか走行に使えません
残りは6kWhは排気ガスとラジエターから熱として大気中に捨てられます(廃熱)
そのうちラジエターから捨てる熱を室内に回し暖房として活用しています
ですので熱を作るのにエネルギーは必要ありません
それと比べるとEVは高効率で廃熱が微量です
(約90%以上)
暖房に使うレベルには到底足らず別に電気を消費し熱を作ります
そうすると同じ15km走るために使う量が増え消費が激しくなります
これが結果として1kWh辺りの電費を悪くする要因です
そういう意味では冬場のガソリン車は熱効率が60%程度に上がるとも言えますね
機械的抵抗が増える
走行しているとミッションオイルやデフオイルが過熱していきます
これは機械には摩擦抵抗とオイルの撹拌抵抗があり、その抵抗が熱を発生させています
オイルは固いうちは抵抗が大きので柔らかくなると抵抗が減ります
寒い時期はオイルが暖まるまで時間がかかり多く抵抗を生み多くの電気を使います
またタイヤも暖まるまで転がり抵抗が大きくなるので冬場は大変です
実体験は
うちの家は坂の上にあるので会社に行くときは坂を下っていきます
この時に夏場だとアクセルオフで加速していくのでブレーキしますが
冬場だと減速していくのでアクセルを踏む必要があります
寒冷時は機械的抵抗が大きいのを実感します
空気抵抗が増える
気温 | 密度 |
-20 ℃ | 1.348 kg/㎥ |
0 ℃ | 1.251 kg/㎥ |
20 ℃ | 1.166 kg/㎥ |
40 ℃ | 1.091 kg/㎥ |
空気は温度が下がると密度が上がります
密度が高いとより多い空気を押しのけながら走るので抵抗が増えます
速度の2乗に比例する空気抵抗は冬の方が大きくなり電気の消費が多くなります
参考:八光電気/気体の性質密度
まとめ
- EVは暖房用として別に電気を使うため走行可能距離が短くなる
- 寒い時期は機械的抵抗も大きく増え電気消費が大きくなる
- 空気抵抗も増えるので合計3割程度悪くなってしまう
(車種により変動します)
冬場は電気自動車にとって辛い季節です。冬でも普通に使えるEVの開発を望みます
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