ABSがあれば雪道も平気なの?
ABSの本来の目的は…
ABSを制動距離を短くする装置と思っている人はいませんか?
本来の目的はハンドル操作性と安定性を保つことです。結果的に停止距離も縮まります
今回はABSの効果と作動原理、また欠点をご紹介します
ABSとは
ABSはアンチロックブレーキシステムの略です
低摩擦路でのブレーキ時に車輪のロック(回転が停止)によるスリップを防ぎます
昔はメーカーによりESCやWAS、ALBと呼んでいましたが現在はABSで統一されています
ABSの効果と作動原理
タイヤがロックするとスリップしタイヤと地面の摩擦力が低下します。特に悪天候時は顕著です
制動距離が長くなるだけではなく、ハンドルが効かなくなったり横すべりしたりします
スリップを防ぎ思った方向へ進めるようにするのがABSの主目的です
効果
①制動距離を縮める
スリップすると制動距離が延びてしまいます
それを防いでくれる為短い距離で止まれます
ただしロック寸前よりグリップは下がるのでブレーキが上手な人の場合は距離が延びます
②フルブレーキでもハンドルが効く
前輪がロックしてしまうとハンドルが効かなくなります
スリップしやすい路面でのブレーキ中でも舵をきかせ事故を防ぎます
③横すべりを防ぐ
リアタイヤが滑らない様に制御し横すべりすることなく安全に制動を掛けることが出来ます
雪道初心者や雨の急ブレーキでもフルブレーキで止まれます。
スリップすると止まらない
ロックするとスリップしタイヤと路面との摩擦力は大幅に低下します
路面状況により変わってくると思いますが
雨天路のスリップは停止距離が2倍、凍結路のスリップは3倍程度に伸びると思われます
作動原理
ブレーキを踏むとタイヤを止める力が発生しますが
タイヤのグリップ力を越えるとタイヤだけが止まりロック状態になります。
そこでタイヤ停止を感知すると内部で自動的にブレーキを緩めロックを解消
タイヤが回るとまた制動をかけます
このロック/緩めを繰り返すことで横すべり等を防ぎます
ABSの欠点デメリット
上記しましたがブレーキが上手な人より制動距離が延びます
ロック→解除→ロック→解除→ロック…の繰り返しは途中途中でスリップしており
時間としては短いですが、その間の摩擦力は著しく低下しています
上手にブレーキできる人はスリップ時間が無いので停止距離が短くなります
停止距離は伸びるが…
停止距離が延びるのが唯一の欠点ですが、ロック寸前のコントロールはとても難しいです
また普通の人は滑り出してしまうと恐怖からブレーキを放すことができません
ですので思い切り踏み込みABSを作動させる方が確実で安全です
まとめ
- ABSは滑り易い路面でもスリップせずに停止できるブレーキである
- スリップするとハンドル効かず横すべりするので、それを防ぐのが役割
- 断続的にスリップさせるので上手なブレーキより制動距離が延びる
- プロ以外は上手なブレーキを考えずABSを効かす方が結果的に短く止まれる
ABSは雪道などの滑り易い道を安全に走れるデバイスですが
決してタイヤの限界を上げる装置では無いのでタイヤコンデションにはご注意を
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