管理人がバイクに乗り始めた80年代後半から90年代前半は2タイプのエンジンが!
「4ストロークエンジン」
「2ストロークエンジン」
諸事情で2ストロークエンジンは絶滅危惧種状態ですが、なんとF1で復活するかも!
今回は2ストロークエンジンをフォーカス!
ちなみに管理人は2スト派です!
※以下2スト(4スト)と略します
2ストロークエンジンとは?
現在主流は4ストロークエンジンです
これはエンジンの4つのサイクルを4つのストロークで行うエンジンです。
それに対し4つのサイクルを2つのストロークで行うエンジンが2ストなります
4ストロークエンジン
4ストは各工程がしっかり分離しており、制御が緻密にできるのが特徴
エンジン2回転に1回の燃焼が起こるので排気量あたりの最大出力は2ストに劣ります
2ストロークエンジン
それに対し2ストは各工程が融合しています
特に排気ガスを吸気ガスが追い出しながらシリンダに充填するのが特徴
結果、エンジン1回転に1回の燃焼が起こります。単純に言って4ストの倍の力が出ます
何故絶滅寸前の理由・2ストのデメリット
先に市場から淘汰されつつある理由=デメリットを紹介します
①燃費が悪い
②排ガスが汚い
③扱いにくい出力特性
現在の車に求められるものが全て不可です
致命的…
燃費が悪い
環境問題への一番の近道は使用エネルギーが減ることです
燃費が1/3になれば問題も1/3に成り得ますね。その点で2ストは不利となっています
燃費が悪い理由は二つです
1.燃焼途中で排気が始まる
上図2ストの右から二つ目を見てもらうと分かるように、燃焼途中から排気が始まります
アトキンソンサイクルが低燃費の理由は下の更に下まで膨張圧力を受け止めるからです
また途中で排気が始まると高回転ではトルクが持続しますが反面低回転では弱くなります
結果、高回転型のエンジンになり燃費に対し不利になります
※排気デバイス
上記を踏まえると低回時は排気時期を遅らせることでトルクを稼ぐことが可能になります
ホンダのRCバルブやヤマハのYPVSは弁で排気時期を調整し低回転の出力を増やしています
2.未燃ガスが排出される
2ストは今から燃やすガス(吸気ガス)で燃焼し終わったガス(排気ガス)を追い出します
その時にキッチリ排気すると多少の吸気ガスも一緒に出て行ってしまいます
これはガソリンを捨てているのと同じですから、その分燃費は悪くなります
排ガスが汚い
排気ガスが汚い理由も二つあります
最近の車は暖気時以外は臭く感じませんね
1.未燃ガスが排出される
上記にもありますが吸気ガスが燃焼されずに排出されるので汚いです
2.オイルも一緒に燃やす
2ストの多くはクランクケースに吸気ガスを入れクランクが回転する力で作動しています
したがって4ストの様にオイルを循環させることが出来ません
そこで吸気ガスに専用オイルを混ぜて潤滑をしています
そのオイルが潤滑を終えた後ガソリンと一緒に燃焼されるので汚れた排気ガスになります
※混合給油と分離給油
オイルを混ぜる方法は二つ。燃料に直接混ぜるかキャブレターで混ぜるか
前者は燃料を絞る(アクセルを戻す)と燃料と共にオイルも減ることになるので
長い下り坂でエンブレを長く使うとは焼き付きの原因になります
常に全開のレースや定速で使う芝刈り機などに使うのは問題は無いため使われます
後者は回転にあわせて調整できるので公道を走るものの多くはコチラを採用しています
扱いにくい出力特性
排気デバイスのおかげでマシになりましたが、それでも高回転型のエンジンです
力が出る回転数域が狭く、ギアチェンジで常に回転を合わせる必要があります
※チャンバー効果
独特な形のマフラーは飾りではありません
この形状のおかげで排気ガスと一緒に出てしまった吸気ガスがシリンダ内に戻ってきます
これにより排気量以上の燃焼ガスがシリンダに入り出力が更に増大します
排出と戻りのバランスが最高になった時が一番パワーが出る回転数になります
2ストのメリット
メリットも多くありポテンシャルは高いです
①排気量あたりの出力が高い
②バルブ・カムが無い為ロスが少ない
③シンプル・軽量で整備性がよい
シンプルで軽量が最大の特徴。軽量が求められるものには現在でも主流です
排気量あたりの出力が高い
4ストの倍の燃焼が起こるので、比べるとトルクが大きくなっています
同排気量でレースをすれば圧勝間違いなし
4ストで戦いを挑んだNR
ホンダは4ストの可能性を信じ、あえて挑戦しました
伝説の名車の誕生秘話には、こんな情熱的なはストーリーが
バルブ・カムが無い為ロスが少ない
ピストンがバルブ・カムの代わりをしているので機構がシンプルです
その為にメカニカルロスが少なく、エンジンブレーキが弱いのが何よりの証拠
逆に4ストはカムやバルブ機構が有る為に内部抵抗が大きいです
シンプル・軽量で整備性がよい
上記の様に複雑バルブ機構が無いので、部品点数が少なく整備もしやすいです
その為、現在でも軽量・コンパクトが求められるものには使われています
例1芝刈り機
重たいと使うのが大変なので手で持つ機械は軽量が命。シンプルな2ストが役に立ちます
例2発電機
2ストの方が軽く半分くらいの重量です
物によりますが簡易的なものは2ストが有利
2ストに乗って
TZR125
125cc単気筒でネイキッドモデルです
とりあえず、50ccと大差ない低速トルクで発進時に気を抜くと直ぐにエンスト
YPVSはついてるけど基本的に小排気量なので
だけどパワーバンドに入ると良くふけるエンジンでした
普通に〇00km/h出るし、2ストは加速が良くパワフルなのだと実感したのを覚えています
NSR88
当時、名実共に最強だったNSR。V型エンジンでヤマハ・スズキより一歩リード
中古だったのもありますが、前のシリンダーがカブり気味で苦労しました
ユックリ走ると片肺になるのでガンガン行くのが必須(片肺→一気筒燃焼しなくなる)
なのでスペアのプラグと工具も必須でした
白煙も中々に排出され「2スト感」を強く感じさせてくれます
パワーバンドまではおとなしく、8000回転辺りから「ドカン」トルクがでてきます
2ストの醍醐味を味わえるモデルでした
NSR90
88とは違い熟成された感じのモデルでした
エンジンは別物の様に使いやすく、ツーリングでも普通に使えるレベルです
白煙も比較的少なくオールマイティーなエンジンに成長したと思います
追加されたSE/SPの「乾式クラッチ」のカラカラ音はハイモデルの証
そちらの音でも盛り上げてくれる一台でした
全体的に言えるのは、「現在のトレンド」とは逆行しているということ
(低回転でユックリふけあがる)
新世代の2スト
ピストンが弁機構の代わりをすること弁やカムが無くフリクションロスが少ないです
またクランクケースで吸気ガスを圧送しないのでオイルを燃やしません
燃費が向上も期待でき、排ガス問題をクリアできれば環境問題に一石を投じそう!
まとめ
- 2ストエンジンは4ストに比べ軽くてパワフルなエンジンである
- 排気ガスが汚く燃費も悪いので現在の環境問題下では悪者扱いされている
- 新世代の2ストはネガが全て払拭され、F1にも使われる可能性がでてきた
環境問題で絶滅寸前であった2ストロークエンジンは新たに生まれ変わろうとしています
近い将来は2ストが環境問題の切り札になるかもしれませんね!
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