最近、ディーゼル車が
燃料以外にも何か入れてるけど…
排気ガスを綺麗にする液体だよ!
最近のディーゼルは排ガスがキレイ!
ですが燃料以外にも補充するものが出来て面倒も増えています
今回は尿素水(アドブルー)を使う尿素SCRシステムについてです
尿素SCRシステムとは
尿素SCRシステム(以下SCR)は尿素を使って窒素酸化物を窒素に戻すシステムです
EGRで減少させた窒素酸化物を更に低減し各国の排気ガス規制に適合させます
EGRについては過去ログを
またSCRが無い車と比べ多めに窒素酸化物を出しても浄化できるため燃焼温度が高くできます
そうすることでススが低減できDPF浄化を低減。総合的にも排気ガスがキレイになります
化学式
尿素から作り出したアンモニア(NH3)と窒素酸化物(NOX)を化学反応させ
無害な窒素(N2)と水(H2O)にします
6NO2+8NH3→7N2+12H2O
(二酸化窒素の場合)
※その過程でCO2も発生します。
低減される窒素酸化物とは
窒素は空気中にあり、物が燃えると酸素と反応し窒素酸化物になります
(例N2+2O2=2NO2)
CO2は人体に無害ですが、窒素酸化物は喘息等の原因と考えられています
また酸性雨や光化学スモッグを引起こします
リンク:環境再生保全機構HP
CO2と並び世界中で削減が求められています
アドブルーが無くなると
尿素水は「アドブルー」という登録商標で販売されています
アドブルー切れになるとエンジンが停止する様に設計されています
コンピュータを書き換え、無しでも動くようにすることは可能だと思われますが
SCR処理後の排気ガスで規制が通っていますので違法になるのは間違いありません
尿素水不要のディーゼル
尿素水は個人レベルでは無視できる程度のコストですが、毎日走る商用車には負担が大
不要の方が会社としては有難いと思われます
ですので車メーカー各社が尿素フリー技術の開発を急いでいます
日野・尿素フリーDPR
窒素酸化物をアドブルー不要の触媒で分解し、規制をクリアしています
マツダ・低圧縮ディーゼル
高温で燃焼させると窒素酸化物を多く排出するので低温燃焼+触媒で尿素フリーに
詳しくは過去ログをご覧ください
尿素の燃費・価格は?
尿素は燃料に対し5%程度消費します。昔の2ストに近いですね
燃費が4km/ℓ程度であれば1,000km走るのに約12.5ℓ消費します
価格は1ℓ100円程度ですが、2021年末現在では高騰しています
(ネットでは1,000円程度)
VW窒素酸化物偽装問題
VW=独フォルクスワーゲン社
2015年9月18日
VWによるディーゼルエンジンの排出規制不正があったと米環境保護庁が発表しました
窒素酸化物の排出量がテストの時だけ良くなるように偽装
目的は「尿素式を使いたくない」でした
尿素式を使うと荷台スペースの減少やコスト増になり、他社との競争に負ける可能性が
しかしVWの当時の技術で、尿素なしで排ガス規制をクリアするには耐久性が心配
そこで「テスト」を検知するシステムを入れ、
排ガステストの時はEGR比を大きくし窒素酸化物を低減/普段は大量に放出させました
このようにしていることがNGO団体から告発され、アメリカ環境保護庁が問題視しました
リンク:国土交通省/不正事案
※VWのその後
結局高い賠償金と修繕費用を払わされ、その額は日本円で2兆円とも言われています
イメージも悪くなり、その後VWは全ての車を電気自動車にすると発表します
まとめ
- 尿素SCRシステムは主に窒素酸化物(NOx)を低減する機構
- 尿素が無くなるとエンジンは停止する
- VWが不正をしたのはSCRを使いたくない為
排気ガスがキレイなことはいいことですね!
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