走行税の議論が話題になっています
なぜそんな議論が始まったのでしょうか?原因と展望を見ていきます
走行税とは
![](https://loveandtruckbus.com/wp-content/uploads/2023/01/24311795_s.jpg)
走行税は走る距離に比例して課税される税金です。正確には走行距離課税と言います
「走る分だけ払う保険」というものがありますが、これの税金版と考えてください
![走行税のイメージ(保険料)](https://loveandtruckbus.com/wp-content/uploads/2022/12/c0a7ad852c51f10e1f00da755ecb6156.jpg)
自動車保険比較相場HPより
走行距離が短いと税金が安く多いと高くなります
そうすることで道路整備の公平な税負担を求め
また自動車移動の自粛を促してCO2削減をする狙いがあります
もうあるじゃん走行税!
実質の走行税は既にあります。ガソリン税や軽油税がそれにあたります
走るには燃料が必要。それに課税することで実質的に走行税としています
ガソリン税が1ℓ辺り53.8円なので
15km/ℓの車なら約3.59円/km
25km/ℓの車なら約2.15円/km
走行税が議論される理由と原因
![燃料税収の推移・減少https://www.jiji.com/jc/article?k=2022111701006&g=pol&p=20221117ax24S&rel=pv](https://loveandtruckbus.com/wp-content/uploads/2022/12/20221117ax24S_o.jpg)
走行税が議論される理由は単純、「税収が下がっている」からです
新たに税を作り、補おうとしています。下がった理由は主に以下となっています
車の平均燃費が向上し税収減
![スズキワゴンRの新旧燃費比較](https://loveandtruckbus.com/wp-content/uploads/2022/12/5d6d948efe34aed6dc03b946e0e307ce.png)
車の燃費が上がり使用量が減ったのが原因
ガソリン税・軽油税は1ℓごとに課税されます。
ワゴンRの場合を例に挙げると、約3割燃費向上していますので、税収は3割減となります
![](https://loveandtruckbus.com/wp-content/uploads/2023/01/24127453_s.jpg)
既存燃料を使わない車が増えた
![日産サクラ](https://loveandtruckbus.com/wp-content/uploads/2022/05/0ff5d26ec8a84f14f6cebf75c2f95203-1024x491.jpg)
水素自動車や電気自動車など、ガソリン/軽油以外の車が増えてきました
水素は将来的に課税できますが電気は家庭で充電すると課税できません
その為、他の課税制度が必要になり走行税が検討されるようになりました
コレが要因としては一番大きいと思われます
道路特定財源は無くなった
昔は自動車の税金は車関係、道路のみに使う道路特定財源でした
しかし現在の自動車の税金は一般会計に計上され医療費などにも使われています
ので多ければ多いほど国家予算が楽になります
個人的には自動車税を社会保障費にするのは、いかがなものかと思いますが。
課税のパターン
![](https://loveandtruckbus.com/wp-content/uploads/2023/01/25359655_s-e1673527260682.jpg)
まだ議論が始まったばかりですが、どのようになるのか予想していきます
ガソリン税・軽油税を置き換え
(公平な課税)
現在の実質的走行税であるガソリン税等では燃料を使わないEVや水素自動車は実質脱税です
燃料にかかっている税を廃止し、代わりに走行税にすることで公平に課税します
走行税を追加
今までの税に加え走行税を追加。単純に増税
税金が足らないのでコレが最良かも。ですが国民の理解は得られにくいと思われます
自動車税等を廃止し走行税のみにする
自動車税や重量税など、所有しているだけでかかる税金が有りますが
コレを廃止し走行税のみの課税にします
もともと道路等を整備するの税なので、1kmも走らなければ無税でも問題ないとも考えられます
こうすると走行しない趣味の車が今以上に売れ、自動車業界の活性化にもつながります
管理人の予想
- 自動車税を半額に
- 走行税は1km辺り2~3円程度
- 運送業者は減額あり
になると予想します
これだとエコカーは少し優遇、排気ガスを出す燃料車からは追加で税を徴収となります
エコカー普及効果と税金の増額の両立が可能と思われます
走行税の問題点
![](https://loveandtruckbus.com/wp-content/uploads/2023/01/4172340_s.jpg)
運送業者の負担増
一番の問題点は距離を走る運送事業者の負担が大きくなることです
仮に年間10万キロ走り、1キロ2円であれば20万円の負担になります
何らかの優遇措置が必要になるのは必須です
地方部の負担
車しか移動手段がない地方部では今までより納税額が上がるのは確実
地方と都市部の格差も考えなくてはいけません
課税が難しい
どのタイミングで課税するかが問題です
通常であれば車検時にメーターを見て徴収ですが、それだと事後納税
いままでの税金は払わなければ車検が通らず、走行すると大ペナルティーとしていましたが
これだと次の車検まで野放しになる可能性が。廃車のタイミングで徴収漏れも考えられます
メーター戻しの問題もあり、課税のシステムを深く考えなければいけません
走行税の採用例
走行税を採用しているのがニュージーランドです
先に走行距離を申請するようになっています
日本ではどのようになるのでしょうか
走行税導入で良くなること
![](https://loveandtruckbus.com/wp-content/uploads/2023/01/23553387_s.jpg)
上記の様に問題点を解決する必要はありますが個人的には半分賛成です。理由は以下の通り
走らない車は税金が少なくなる可能性
そもそも所有しているだけで重税をかけるのは変だと思っています
乗らない車は税金を安くして長く大事に維持してもらいたいです
EV等にも税負担ができる
現在、EVを足替わりにしていますがガソリン税を払わないのは自分でも不公平だと思います
多少の優遇は欲しいですが公平な税負担を
公共交通機関が増加する可能性
現在、車通勤をしている方が電車/バスを利用する機会が増える可能性が
利用者が減少で路線が無くなりつつある公共交通機関の復活も見込まれます
まとめ
- 走行税は道路を走った分だけ払う税金
- EVなどガソリン税を払わない車に課税することができる
- 運送業者と地方部に負担が増えるのが問題
- 上手くいけばCO2削減と公共交通機関の活性化が期待できる
コメント