荷重移動のすすめ 減速編

トラックのすすめ
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今回は車を運転していると避けては通れない荷重移動について
特にブレーキについて解説します

基本的には理解されていると思いますが
より詳しく解説していきます

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荷重移動とは

荷重移動は車の速度を変えたり曲がったりするときに
各タイヤにかかる重さが変わることです

そして変わるときを
荷重変動する」といいます

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ブレーキをすると

ブレーキを踏むと車は前のめりになります
これは、ブレーキがタイヤ部分で作用しているからです

タイヤがある車体の下部分が慣性に逆らって車を止めようとするため
上の部分だけ進もうとし、結果前のめりになります

逆に屋根が高架などに当たって止まった場合は前輪が上がるように止まってしまいます
画像 たの(^◦^)さんブログより引用
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前ブレーキ

普通にペダルを踏むと前のタイヤに対し制動が強くかかり前タイヤが大きく沈みます

強く効かすほどサスペンションを大きく沈めます。そうなると前タイヤに大きな荷重がかかります

後ろブレーキは弱めに効きます
これは後ろタイヤが滑るとスピンしとても危険になるためです
停止時の荷重が均等だった場合(実際は偏っている)

言い換えると前タイヤを中心に回転している状態

※運転席が前にあるトラックバスは大きく傾いているように感じます

リアブレーキ

※前輪駆動車は不可です

リアブレーキは後輪駆動車エンジン(排気)ブレーキを使った時に効きます

リアブレーキをするとリアを中心に回転しようとします

しかしリアブレーキをすると前にも重みがいきますが前のサスペンションが踏ん張ります

結果、前後輪ともに沈み込み荷重移動は少なくなります

なので排気ブレーキを多用すると乗り心地が良くなり
トラックの場合荷崩れのリスクも減ります

ブレーキの減りも少なくなり一石二鳥

ホイールベースとの関係

ブレーキをするとタイヤを軸に回転する状態になりますが
ホイールベースの長さに比例して沈み込みが少なくなります

これは輪軸の原理で長くなるほど沢山の力が必要になるため

最近の乗用車がホイールベースを長く設計しているのは
乗り心地を良くするためです

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急ブレーキ

急ブレーキはとても危険です

油断している時に大きく荷重変動するので
人は前の方に飛ばされてしまいます

貨物車でしたら荷物が前に滑らない様にすれば解決ですが
バスの場合はそれができませんので超危険です

急ブレーキになる原因は踏み始め

短い距離で止まることよりも効き始めに大きく荷重変動するのが問題です

踏み始めをマイルドにしましょう

止まる寸前

止まる寸前はタイヤがいきなりロックするので「ガクン」となります

止まると荷重が解放されるのでバネが戻り、またガクンとなります

ブレーキを緩め惰力で止まるのが理想です

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快適で短い制動距離するには

運転が上手な人は
乗客を不快にさせず短い距離で止まる
ことができます

ここからはその理論です
練習してみてください

ブレーキ踏み始め

バス車内事故の多くは、踏み始めの大きな荷重変動
前座席に顏などをぶつける場合が多いです

踏み始めをマイルドに
車体をユックリとお辞儀させるイメージで

排気ブレーキ追加

排気ブレーキを使うとリアタイヤの制動を掛けることができます

荷重変動は最小限で減速できます

前後輪両方でとまるので制動距離も短く、かつ穏やかに止まれます

ブレーキを踏み始めてからがよいですが
ショックが少ないなら先に始めてもOKです

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本制動

車体が傾いたらブレーキを強めに踏みます

乗客は気持ちの準備ができているので踏ん張ってくれています

この時に荷重変動が少ないと乗客の不快感は少ないです

止まる前

止まる前に余裕が無いと最後に強いブレーキが必要になり大きい荷重変動が起きます

3m程手前で止まるようにし最後に余裕を作りましょう

終わり良ければすべてよし」と言うことわざがあるように
最後がユッタリと止まれるとユッタリしたブレーキとして乗客の記憶に残ります

ココでもユックリとブレーキを戻し激しい荷重変動を抑えてください

踏み方について

踏み方について

ブレーキの踏み加減=制動の強さですが減速量は一定ではありません

これは運動エネルギーは速度の二乗に比例するからです

60キロ→50キロと
30キロ→20キロでは
4倍のストップ力が違います

なので高速では強めのブレーキに徐々に弱くする必要があります

ただ、タイヤの沈み込みは踏んだブレーキ量で決まるので傾きの調整も必要になります

危険行為

加速して直ぐに急ブレーキ

加速で後ろにコケないようにバランスをとったところで
急にブレーキをされるとより大きな荷重変動が起こります

二重の荷重変動が起きます

立っている乗客の転倒リスクが上がります
荷物なら荷崩れを起こしやすくなります
発進時は止まらずに済むようにシッカリとした安全確認

なので法律が

道路交通法 第31条の2 (乗合自動車の発進の保護)

停留所において乗客の乗降のため停車していた乗合自動車が発進するため進路を変更しようとして手又は方向指示器により合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした乗合自動車の進路の変更を妨げてはならない。

きままにいい旅より引用

乗合自動車発進妨害違反 普通車/減点1・反則金6千円となっています

これは走り出そうとしてブレーキを踏ませないための施策と思われます

まとめ

  • ブレーキを踏むと荷重移動が起こり、前タイヤに重みが掛かる
  • ブレーキを踏むと前ブレーキがメインなので大きく前に傾く
  • リアブレーキを使うと前後タイヤに荷重が掛かり、傾きが少ない
  • ブレーキを急に踏むと大きな荷重変動が起こり、乗客が不快に
  • 急制動する時はブレーキを調整し荷重変動を最小限にすると不快は少ない

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